【タイトルから始まる多彩なストーリー】ヨシタケシンスケ✕又吉直樹「その本は」

その本はの表紙画像 好きなことあれこれ

今回は書籍「その本は」をご紹介。

又吉直樹さん、ヨシタケシンスケさんによるこちらの短編集。
晩年、目が見えなくなり大好きな本が読めなくなったある王国の王様。
それでも本の話が聞きたいと、2人の男が世界中の本の話を集めるよう指示され、
旅に出る…というプロローグから物語は始まります。

すべてのストーリーが「その本は」から始まる本作。
面白いのは、どのお話もその本のタイトルは一切記載されていません。
内容について紹介するものがあれば、その本自体がどんなものなのか記したものまで。
(中には、もはやそれ本なの?と思うものも)
読みながら、どんなタイトルなんだろう?と想像するのも楽しいです。

筆者のお気に入りは第7夜と第10夜。
第7夜は男の子と転校してきた女の子による交流を交換日記を通して綴られたお話。
日記を通して伝わってくる、2人の距離感やその時の心情に心がギュッと締め付けられます。
第10夜は、僕と本が入れ替わるお話。
ヨシタケさんのイラスト入りで短いお話ですが、ラストになんだか気持ちがほっこりします。

本好きな方はもちろん、本を読むのが苦手な方でも、多くのストーリーが1~数ページなので
気負わずに読めます。
また最初から順を追って読み進めるのはもちろん、パッと開いたページから読むのも良し。
読むたびに、新しい発見がありそうです。


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